お子さんが「わざと」何かをしているように見えるとき、大人はつい「悪いことをしている」と思ってしまいがちです。しかし、実はその行動の裏には大切な成長のプロセスが隠されていることがあります。今回はそんな「わざと」に見える行動の一例と、その背景にある子どもの発達についてご紹介します。
例えば、よくあるシチュエーションとして、ブロック遊びをしている子どもが、せっかく積み上げたブロックをわざと崩すことがあります。大人から見ると「せっかく頑張って作ったのに、どうして壊すの?」と思うかもしれません。しかし、これにはちゃんとした理由があります。
子どもが「わざと」崩す理由とは?
まず、子どもは遊びを通して周囲の世界や、自分がどのように働きかけるかを学んでいます。例えば、ブロックを積んで崩す行動は、因果関係を学ぶ一環です。「積むと高くなる」「崩すと壊れる」というシンプルな現象を、何度も自分で体験することで理解していくのです。
1回目は、積んだブロックが崩れる音や形を観察します。そして、「また同じように崩れるのかな?」という興味が芽生えます。そこで再度積んで、今度はわざと崩してみるのです。これは決して「悪意」や「いたずら」ではなく、科学実験のように、結果を確認しようとしているのです。
大人ができる対応
このような「わざと」に見える行動に対して、大人はどう対応すべきでしょうか。まずは、焦らずにその行動の背景を理解することが大切です。「わざと」崩す行動は、学びの一環であると考えて、むやみに「やめなさい」と言うのではなく、「どうして崩れたと思う?」といった問いかけをしてみると良いでしょう。
さらに、その行動が繰り返されるときも、イライラせずに見守る姿勢が大事です。子どもにとっては、繰り返しが成長に必要なプロセスです。大人にとっては何度も同じことをしているように見えても、子どもはそのたびに新しい気づきを得ているかもしれません。
遊びの中で成長をサポートしよう
子どもが遊びの中で発見を繰り返していることを理解できれば、日常の「わざと」に対する視点も変わるはずです。遊びの中で学びを広げるチャンスがたくさんあり、子どもたちはその過程で様々なスキルを身に着けていきます。
今度お子さんが「わざと」何かをしているように見えたときは、その行動の背後にある好奇心や学びのプロセスを思い出してみてください。大人もその成長の瞬間を共有し、一緒に楽しむことで、より良い関係が築けるはずです。