お子さんが「ママじゃないと嫌!」という行動を見せるのは、特に生後10ヶ月頃からよく見られる現象です。この時期、子どもはママと他の人を区別できるようになり、本能的に「ママが一番安心できる存在」と認識しやすくなるのです。長い妊娠期間を経て生まれてきたことや、例えば母乳で育てられている場合、常にママが自分にご飯をくれる存在であることが影響しています。こうしてお子さんは自然と「ママがいい」と思うようになるのです。
他の家族がサポートしていても、これは「パパが嫌だ」「おじいちゃんおばあちゃんが嫌だ」と言っているわけではありません。ただ、ママが最も大好きで、安心できる存在ということです。眠たかったりお腹が空いたりしたとき、自然とママを求めるのは、安心感を得るための本能的な行動です。
「ママがいい」となるのは信頼関係の証
「ママじゃないと嫌」という行動は、一見すると大変に感じるかもしれません。しかし、これはお子さんとの愛着関係がしっかり構築されている証拠です。ママが安心できる存在であるからこそ、お子さんは「ママがいい」と主張するのです。この時期のお子さんの成長を見守りながら、ママ自身も自分の育児が間違っていなかったと喜んで良いポイントでもあります。
もちろん、すべてのお子さんがこのように「ママじゃないとダメ」という行動を取るわけではありません。子どもの個性によって、他の家族とでも比較的問題なく過ごせる子もいます。ですので、必ずしも「ママじゃないと嫌!」と言わないからといって、愛着関係が取れていないと心配する必要はありません。
対処法:「ママがいいよね」と共感する
お子さんが「ママじゃないと嫌!」と言ったとき、どのように対応すれば良いかですが、即効性のある魔法のような方法は残念ながらありません。しかし、時間を短縮できる有効な方法はあります。それは、お子さんが「ママがいい」と言ったときに「そうだよね、ママのこと大好きだもんね」などと共感の言葉をかけてあげることです。
一見するとこの対応は、「ママじゃないとダメ」という気持ちをさらに強めるのではと思われるかもしれません。しかし、逆にこの共感を示すことで、お子さんは「ママ以外の人たちも、ママが大好きなことを理解してくれている」と安心感を持つようになります。安心感を得ることで、時間はかかるかもしれませんが徐々にパパや他の家族とも安心して過ごせるようになっていくのです。
お子さんの安心感を育てる環境を作る
お子さんに「ママじゃなくても大丈夫だよ」と無理に納得させようとするのではなく、まずはお子さんが安心できる環境を提供することが大切です。例えば、パパやおじいちゃんおばあちゃんがママと楽しく会話している様子をお子さんが見ていることで、「ママが安心できる人と一緒なら、パパや他の家族も安心できる存在なんだ」と感じるようになります。
お子さんが「ママじゃないと嫌!」と言って大変な時期でも、このような環境を意識して作ることで、徐々に他の家族とも過ごせるようになるでしょう。